口腔内腫瘍と聞くと恐ろしい病気のように思うかもしれませんが、症状に合わせた治療を受けることで治すことができます。
そのためには、まず、口腔内腫瘍はどのような病気なのかを知っておく必要があります。そこで今回は口腔内腫瘍の種類と症状、原因、そして治療方法などについて解説しています。
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目次
口の中にできる腫瘍って?
口腔内腫瘍には、良性から悪性まで多くの種類の病気が含まれます。
そのなかには、血液や水溶性の成分が濃集してできている、あるいは細菌の巣になっている嚢胞や、組織が増殖してできた腫瘍があります。
良性口腔内腫瘍には、粘液嚢胞(ねんえきのうほう)、ガマ腫、顎骨嚢胞(がっこつのうほう)などがあります。
顎骨嚢胞はさらに、歯根嚢胞(しこんのうほう)、含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)、術後性上顎嚢胞(じゅつごせいじょうがくのうほう)の3種類に分けられます。
悪性口腔内腫瘍には、エプーリス、繊維腫(せんいしゅ)、血管腫、舌癌、歯肉癌などがあります。
幸いなことに口腔内腫瘍の多くのものは良性で、病変部位を除去してしまえば完治します。
また、最近の医療の進歩は目覚ましく、仮に悪性腫瘍であっても、手術しないでも完治が見込めるものも出てきています。
例えば、初期の舌癌では、放射線を放出する針を患部に埋め込んで、長期間に渡る低線量の放射線の放出を通じて治療することにより、大きな効果を生んでいます。
口腔内の病気は、自分で自分の口の中を観察するのはなかなか難しいため、つい放置してしまいがちです。
口の中に何か気になることがあったら、できるだけ早く医師に相談しましょう。
口腔内にできる腫瘍の種類と症状
口腔内にできる腫瘍は様々種類と症状があります。
ここでは、どのような症状があるのかについて詳しく解説していきます。
粘液嚢胞(ねんえきのうほう)
比較的若い人の下唇や舌にできる色の薄い腫瘤で、唇を歯で噛んだ際に小唾液腺から唾液を排出するために伸びている管が傷ついて唾液が溜まってできたものです。
痛みはないものの、一度治っても再発することが多いです。
ガマ腫
大唾液腺(舌下腺、顎下腺)に炎症が起きて、唾液が漏れるようになり、唾液が溜まってできたもので、口の底に腫瘤ができます。
患部が膨れてきますが痛みはなく、破れると元に戻りますが、再発することが多いです。
顎骨嚢胞(がっこつのうほう)
顎骨近辺にできる血液や血液中の液体成分が集まった袋状の腫瘤で、大部分が良性です。
歯根嚢胞、含歯性嚢胞、術後性上顎嚢胞の3種類があります。
歯根嚢胞は歯の根元の歯根部に細菌の巣ができたもので、歯の痛みや歯茎の腫れを伴います。歯が浮いた感じになることもあります。
含歯性嚢胞は、外に現れていない埋没状態の親知らずや、その他の永久歯の上側にできる嚢胞です。嚢胞が大きくなると歯肉の腫れなどが現れてきます。
術後性上顎嚢胞は、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)の手術後長期間経ってから、手術部位にできる嚢胞のことです。
患部付近の顔面の痛み、腫れ、鼻詰まりが現れ、ひどくなると顔面が大きく腫れてくることもあります。
エプーリス
歯肉部分にできる腫瘍のことで、腫瘍の中身ごとに、コラーゲン繊維、血管新生を伴う肉芽腫、骨組織など多くの種類があります。
若い女性に比較的多い疾患です。歯と歯の間にできることが多いく、咬むと出血するなど以外の症状は余りはっきりとしたものはありませんが、歯周病になると、歯肉の痛みや歯がぐらつくなどの症状が出てきます。
線維腫
頬の粘膜に発生する繊維組織が増殖してできた良性の腫瘍です。
血管腫
舌の端に暗い紫色のシミのような状態で生じます。毛細血管の増大によってできた良性腫瘍です。痛みはなく、少しずつ大きくなります。
舌癌
舌にできる悪性腫瘍で、非常に多くの病態があり、また、その症状も多様です。舌のしこり、潰瘍、白斑部などがある場合には初期の舌癌の可能性が指摘されます。
歯肉癌
歯肉癌は舌癌に続いて口腔癌で多い癌種です。
歯肉上皮組織から発生する悪性腫瘍で、骨や骨膜に広がっていきます。
顎や頸部のリンパ節への転移も多いことが特徴です。
初期には自覚症状がなく、進行すると歯肉が腫れたり潰瘍ができたりします。
口腔内腫瘍の原因
口腔内の腫瘍は、症状によって原因が異なります。
上記で挙げた症状ごとに、どのような原因があるのかについて解説していきます。
粘液嚢胞の原因
原因は、食事中に誤って口の中を咬んで口の粘膜に傷を付けた場合、あるいは、下唇を咬む癖のある人にも発生しやすいです。
ガマ腫の原因
歯のブラッシングを強く行いすぎて粘膜に傷を付けてしまったなどの何らかの機械的な刺激が原因となります。
顎骨嚢胞の原因
歯根嚢胞:歯根部の細菌感染が発症原因となります。
含歯性嚢胞:歯が生え変わることと関係して発症することが多いです。
術後性上顎嚢胞:副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)の手術後に、取り切れなかった粘膜が、傷が治癒する過程でできる増殖肉芽中に取り込まれて上顎洞中に閉鎖空間が形成され、そこに鼻の分泌物が溜まって炎症を起こすことが原因とされています。
エプーリスの原因
細菌感染や外傷を原因として歯肉が増殖して腫瘤となりますが、歯肉にできる良性の腫瘍や悪性腫瘍のことも稀にはあります。さらに、妊娠時の女性ホルモンの分泌の乱れにより発生する妊娠性エプーリスや、極めて稀には先天的なエプーリスというものもあります。
線維腫の原因
入れ歯が長期間に渡って頬に当たって炎症を起こしたりして発症します。
血管腫の原因
新しくできた新生物というよりは、正常組織の異常増殖や血管の小さな奇形などが発症原因となっていると考えられています。
舌癌の原因
舌癌の原因としては、喫煙(とくに葉巻やパイプ)、飲酒、虫歯、入れ歯のかみ合わせ不適合などが指摘されています。
歯肉癌の原因
舌癌の場合と同様に、喫煙(とくに葉巻やパイプ)、飲酒、虫歯、入れ歯のかみ合わせ不適合などが原因と考えられています。
口腔内腫瘍の病院での治療について
口腔内腫瘍になった場合、病院ではどのような治療を受けるのでしょうか。
ここでは、それぞれの症状ごとの治療について簡単に解説していきます。
粘液嚢胞の治療
基本的には手術により摘出します。レーザーによる摘出や液体窒素で患部を凍らせて取る方法もあります。
ピシバニールという薬剤を注入することにより腫瘤を小さくする効果が期待できます。
ガマ腫の治療
膨らんでいる嚢胞部位を摘出しても大元の舌下腺などの障害が残るため、再発の可能性があります。舌下腺の摘出などを行って完全治癒を目指します。
顎骨嚢胞の治療
顎骨嚢胞には、歯根嚢胞、含歯性嚢胞、術後性上顎嚢胞があります。
歯根嚢胞は、歯根部の細菌感染で、根管治療や歯茎を切開しての根管治療を行い、それでも十分でない場合には抜歯になります。
含歯性嚢胞は、治療の際に嚢胞自体を取り除き、必要な場合には抜歯が行われます。
術後性上顎嚢胞は、症状がひどくなければ抗生物質での薬物治療を行いますが、症状が進んでいる場合には嚢胞の摘出手術の適用となります。
エプーリスの治療
エプーリス部位を摘出します。手術は、歯肉部分だけの切除で済む場合と、エプーリス部位周辺の抜歯を行う場合や、骨の切除を行う場合もあります。
線維腫の治療
外科的な摘出手術の適用となりますが、それに合わせて、刺激の原因となっている刺激物の除去も行われます。
血管腫の治療
手術あるいは凍結療法の対象となりますが、レーザーで焼く方法も効果的です。また、大きいものについては、アルコール塞栓術(そくせんじゅつ)が行われます。
舌癌の治療
病期はステージIかたIVまでに分かれ、I,II期は、X線照射や小規模の手術で完治が見込めます。
リンパ節への転移が多いことが問題とされます。手術には、部分切除から全摘までいくつかの段階があります。
これは、抗がん剤が補助的治療法として用いられます。
放射線源を舌に刺して下の内部から放射線を当てる方法が開発されていて、初期の舌癌に有効な治療法となっています。
歯肉癌の治療
癌の発生部位とその周辺部位を手術により摘出します。
リンパ節転移部位の場合にはリンパ節郭清(かくせい)が行われます。症状がひどい場合には放射線治療、化学療法も加わります
口腔内の異変を感じたらふじた医院へ
歯や歯肉部分に異変を感じた場合には歯科を、舌や唇などの粘膜に異常を感じたら皮膚科を、鼻に症状が出た場合には、耳鼻科を受診しましょう。
最初に受診した科で病名が決まらない場合、歯科、皮膚科、耳鼻科、それに口腔外科などのある病院で診察を受けると安心です。
香川県善通寺のふじた医院では、随時、口腔内腫瘍の相談や治療を行っています。
善通寺はもちろん、近隣にお住いの方で少しでも口腔内で異変を感じることがありましたら、一度ふじた医院までお問い合わせください。
医師:藤田博崇
時間:9:00~18:00(土曜日営業、木曜日は13:00まで営業、日祝日休診)
入院あり
住所:香川県善通寺市上吉田町4-5-1
電話:0877-62-0555
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30年以上にわたり、地域医療に根差し、入院、在宅医療も含めてリハビリや手術などの西洋医学だけでなく、整体、マッサージ、鍼灸や漢方等の東洋医学も取り入れるなどあらゆる方法を用いて治療し、症状を改善している病院です。