太ももの付け根の部分に飛び出ているピンポン玉大の膨らみ。
すぐに引っ込むからと放置していませんか?それは鼠径ヘルニアかもしれません。
鼠径ヘルニアは、初めは症状が軽くても、放置すると痛みも強くなり命に関わることもあります。
そんな、放置すると恐ろしい病気である鼠径ヘルニアについて解説します。
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目次
- 鼠径(そけい)ヘルニアとは?
- 鼠径(そけい)ヘルニア原因
- 鼠径ヘルニアの種類
- 鼠径(そけい)ヘルニアになりやすい人って?
- 鼠径(そけい)ヘルニアの症状
- 鼠径(そけい)ヘルニアの治療
- 鼠径ヘルニアのことならふじた医院へ
鼠径(そけい)ヘルニアとは?
鼠径ヘルニアとは、鼠径部の筋膜の間からから腹膜や腸の一部が皮膚の下に飛び出してくる状態です。
「脱腸」と呼ばれることもあり、同じ意味です。
鼠径部とは太ももの付け根の部分をいいます。
ヘルニアとは、本来体の中にある臓器などが脱出してくる状態をいいます。
男性に多い病気で、特に40歳以上の男性に多く発症します。
日本では年間15万件以上の鼠径ヘルニアの手術が行われているといわれており、じつは盲腸の手術よりも多いくらいよくある病気です。
初めはお腹に力を入れたときに鼠径部にポコッと膨らみを感じる程度で痛みなどもありませんが、そのまま放置すると腸閉塞や腹膜炎を起こし、最悪は命に関わります。
命に関わると聞くと恐ろしい病気のように感じますが、適切な手術を受ければ完治できる病気です。
鼠径(そけい)ヘルニア原因
鼠径ヘルニアは、本来お腹の中にあるはずの腹膜や腸が鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に飛び出すことで起こります。
飛び出す原因としては、加齢による筋膜や筋肉の衰えが最大の原因です。
加齢により筋膜が弱くなると、鼠径部の筋膜を貫くように走っている鼠径管といわれる管の周囲やその周囲の筋層にもすき間ができてしまいます。
その状態でお腹に力が入ると、お腹の中の内臓が支えきれなくなり、そのすき間から腹膜や腸の一部がはみ出てしまいます。これが鼠径ヘルニアです。
男性の方が発症しやすい理由として、この鼠径管は男性の方が太いためです。鼠径ヘルニアは加齢が原因となる病気です。
また、お腹に力が入ることを腹圧といいますが、腹圧の要因としては、重いものを持ち上げる、咳をよくする、便秘でいきむ、激しい運動、肥満、妊娠などがあります。
また、トラックや大型バスに長時間乗っている人も知らず知らずのうちに腹圧がかかっていることが分かっています。
この腹圧が内臓を鼠径部へ押し出す要因になっています。
鼠径ヘルニアの種類
鼠径ヘルニアは部位により三つの種類に分けられます。
どれも発生のメカニズムは同じです。
外鼠径ヘルニア(間接鼠径ヘルニア)
鼠径ヘルニアの中で最も多い部位です。
鼠径部の筋膜を貫くように走る鼠径管のすき間から、腹膜や内臓が脱出して起こるものです。30歳代~中年男性に多い鼠径ヘルニアです。
内鼠径ヘルニア(直接鼠径ヘルニア)
鼠径ヘルニアの中で二番目に多い部位です。
筋膜が弱り、筋肉層のすき間から腹膜や内臓が脱出して起こるものです。
加齢による筋力の低下で起こるため高齢の男性に多い鼠径ヘルニアです。見た目は外鼠径ヘルニアも内鼠径ヘルニアも変わりませんので、自分で判断することはできません。また、外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアの合併型もあります。
・大腿ヘルニア
鼠径ヘルニアの中では最も少ないものです。
大腿ヘルニアは、鼠径部より足側の大腿部の筋肉が弱くなり大腿管という管を通り内臓が脱出します。
大腿ヘルニアは女性に多く、特に出産後の女性が多く発症します。
痩せた女性に多い傾向があります。大腿ヘルニアは外鼠径ヘルニアや内鼠径ヘルニアに比べて膨らみは小さく、痛みやしびれで見つかることが多いものです。
嵌頓になりやすいため注意が必要です。
鼠径(そけい)ヘルニアになりやすい人って?
鼠径ヘルニアの原因は主に加齢です。
それに加え腹圧があります。加齢は誰もが同じように年をとるため予防することはできません。
しかし、他の要因については気を付けることができるので、生活を見直すことで鼠径ヘルニアの予防や再発を防ぐことができます。
鼠径ヘルニアになりやすい人は次のような人です。
外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア
- 男性
鼠経管が女性に比べて太いため内臓が脱出しやすくなります。
- 加齢(40歳以上)
加齢により鼠径部の周囲の筋肉が衰え、すき間ができるため内臓が脱出しやすくなります。
- お腹に力がかかる仕事
重い物を持つ、トラックやバスの運転手など腹圧がかかる仕事に長期間従事していると、腹圧により鼠径部の筋肉に負担がかかりやすくなります。
- 立ち仕事
立っていると下向きに腹圧がかかっている状態になるため、鼠径部の筋肉に負担がかかりやすくなります。
- 咳をよくする
喘息や肺疾患で咳をよくする人は咳により腹圧がかかるため鼠径ヘルニアを発症しやすくなります。
- 便秘
便秘ぎみでよくいきむ人はその分腹圧をかけているので、鼠径部の筋肉に負担がかかっています。
- 肥満
内臓脂肪が多くお腹が出ていると腹圧がかかりやすくなります。
- 喫煙
咳やタンパク分解酵素に関連があるといわれています。
- 前立腺肥大
排尿時にいきむため腹圧がかかります。
- 妊娠・出産
お腹が重く妊娠中から腹圧がかかり、出産時のいきみでさらに強い腹圧がかかります。
大腿ヘルニア
- 女性
男性に比べ大腿管が広いため内臓が脱出しやすくなります。
- 出産経験のある人
出産により大腿管周囲の筋膜が弱くなるため内臓が脱出しやすくなります。
鼠径(そけい)ヘルニアの症状
初めは鼠径部にピンポン玉より小さい膨らみを感じます。
腹圧をかけたときなどにポコッと出てきて、指で押すと戻ります。指で戻さなくてもいつのまにか自然に戻ります。この頃はまだ痛みは感じません。
次第に鼠径部のツッパリ感や痛み、違和感を感じるようになってきます。軽い痛みやヘルニアによる便秘は起こることがありますが、特別な症状はありません。
さらに放置すると「嵌頓」という状態になることがあります。
今まで鼠径部のすき間から飛び出ては戻りを繰り返していた状態でしたが、嵌頓は鼠径部のすき間から腹膜や腸が飛び出てはまり、戻らなくなった状態です。
鼠径部の膨らみが急激に硬くなり、強い痛み、嘔吐を伴います。
腸閉塞や腸が壊死して穴があき腹膜炎になってしまうこともある、とても重篤状態ですぐに緊急手術しなければいけません。
大腿ヘルニアは膨らみが小さく膨らみでは発見しにくいですが、鼠径部よりもやや下の部分が微かに膨らみます。痛みやしびれが症状としてみられます。
大腿ヘルニアは嵌頓になる危険性が高いため注意が必要です。
鼠径(そけい)ヘルニアの治療
鼠径ヘルニアの手術には、鼠径部を切開して行う方法と、腹腔鏡で行う方法があります。
・鼠径部手術
ヘルニアがある方の鼠径部を5~8センチ程切開して行います。
昔は鼠径部の筋肉を縫い合わせてヘルニアの出口を塞ぐ手術が行われていましたが、この方法では数年後に再発することが多かったため、近年では出口を塞ぎ、鼠径部の筋膜を補強できる人工の素材(メッシュ)を縫い合わせる手術が主流です。
鼠径部手術は下半身麻酔か局所麻酔で行うことが多く、手術中意識はありますが痛みはありません。
手術は1時間ほどで終わります。
・腹腔鏡手術
下腹部に5~10ミリ程度の穴を3か所開け、腹腔鏡というカメラを腹腔内に挿入して手術します。手術の手技は鼠径部手術と違いますが、メッシュでヘルニアの出口を塞ぐという点では同じ治療法です。
腹腔鏡手術は全身麻酔で行いますので手術中意識はありません。
手術時間も鼠径部手術よりは長くなります。
腹腔鏡手術のメリットは傷口が小さく目立ちにくい、痛みが少なく日常生活へ戻りやすいことです。
デメリットとしては全身麻酔で行うため麻酔のリスクがあること、腹腔鏡で行うため鼠径部を切開して行う手術よりも正確性がやや下がるという点です。
鼠径ヘルニアは短時間で終わり、簡単な手術ですので日帰り手術も可能です。
術後、特に問題がなければその日の夕方には帰ることができる場合もあります。
鼠径ヘルニアのことならふじた医院へ
鼠径ヘルニアは、誰にでもなる可能性のある病気です。
食事管理や適度な運動などで予防することはもちろんですが、少しでも体調不良を感じたら医師に相談しましょう。
香川県善通寺にあるふじた医院では、鼠径ヘルニアに関するお問い合わせを受け付けています。
気になることや不明点があればいつでもご相談ください。
医師:藤田博崇
時間:9:00~18:00(土曜日営業、木曜日は13:00まで営業、日祝日休診)
入院あり
住所:香川県善通寺市上吉田町4-5-1
電話:0877-62-0555
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